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初めての介護保険制度|申請方法・費用・利用できるサービスまとめ

初めて介護保険を利用する方向けに、申請からサービス開始までの流れ、費用や自己負担、利用できるサービスを徹底解説します。

介護保険制度とは?【基本の仕組み】

「親の介護が必要になったら、どうしよう…」
「介護費用はどのくらいかかるの?」
「どこに相談すればいいかわからない」
そんな不安を抱えていませんか。介護は誰にでも起こりうることなのに、制度のことがわからないと不安になりますよね。

そこで役立つのが、日本の介護保険制度です。これは40歳以上の全国民が保険料を負担し合い、介護が必要になったときに支え合える仕組みです。イメージとしては「介護のための共済」のようなもので、サービスを利用するときは原則1割(所得によって2〜3割)を自己負担し、残りは保険でまかなわれます。

例えば、月10万円分の訪問介護を利用した場合、自己負担は1万円〜3万円程度。残りは介護保険が負担してくれるので、経済的な安心感につながります。

利用の第一歩は要介護認定の申請です。市区町村に申し込みをすると、調査員が自宅を訪問し、心身の状態を確認。その後、主治医の意見書も踏まえて審査され、「要支援1・2」「要介護1〜5」の7段階に区分されます。この区分に応じて利用できるサービスの内容や量が決まります。

制度を正しく理解すれば、介護の不安は大きく減ります。あなたやご家族が安心して次の一歩を踏み出せるよう、まずは仕組みを知ることから始めましょう。


介護保険で利用できるサービス一覧

「介護が必要になったとき、どんなサービスが使えるの?」
「自分たちだけでは限界があるけど、何を頼めばいいかわからない」
「種類が多すぎて、何が適しているのか判断できない」
そんな迷いを感じていませんか。

介護保険には、在宅から施設まで幅広いサービスが用意されています。制度を知れば「どこに頼めばいいのか」がぐっと見えてきます。

自宅で受けるサービス(在宅サービス)

  • 訪問介護(ホームヘルパー):食事・排泄・入浴などの身体介護や、掃除・買い物などの生活援助
  • 訪問看護:看護師が自宅を訪問し、医療的ケアや健康管理を行う
  • 訪問入浴:専用浴槽を積んだ車で自宅に来て、安全に入浴できる

通って利用するサービス(通所サービス)

  • デイサービス(通所介護):日帰りで入浴・食事・機能訓練・レクリエーションを提供
  • デイケア(通所リハビリ):医師の指示に基づき、リハビリ専門職がリハビリを中心に支援

短期間泊まるサービス(短期入所)

  • ショートステイ(短期入所生活介護):1〜30日程度施設に宿泊し、介護やリハビリを受けられる。家族の休息や急用にも対応

生活を支えるサービス

  • 福祉用具貸与・購入:車椅子、特殊ベッド、手すりなど
  • 住宅改修:手すり設置や段差解消など、原則20万円まで保険適用

これらのサービスはケアマネジャーが作成するケアプランに基づいて、組み合わせて利用できます。
たとえば「平日はデイサービス、週末は訪問介護、月に数回ショートステイ」というように、家庭の事情に合わせた利用が可能です。

あなたの家族に合ったサービスはきっと見つかります。安心して次の一歩を踏み出してください。


利用開始までの流れ

✅ 要介護認定の結果通知は、原則30日以内に届きます。困ったときは地域包括支援センターに相談すると、手続きがスムーズになります。

「介護保険を使いたいけど、何から始めればいいの?」
「手続きが複雑で面倒そう…」
「申請してからどのくらい待つの?」
「認定されなかったらどうしよう」
そんな不安で最初の一歩を踏み出せずにいませんか。

実際には、介護保険の利用開始までの流れはシンプルです。しかも、市区町村やケアマネジャーがしっかりサポートしてくれるので安心してください。

思ったよりシンプルで、専門家が伴走してくれます。安心して一歩を踏み出してください。


デイサービス利用時間区分と制度のルール

「デイサービスって何時間利用できるの?」
「短時間だけでも大丈夫?」
「毎日通えるの?」
「時間によって料金は変わるの?」
利用を検討していても、時間や回数のルールがわからないと不安になりますよね。

実はデイサービス(通所介護)の利用時間は全国共通の基準で区分されています。

利用時間区分の例

  • 2時間以上3時間未満:短時間で入浴やリハビリを受けたい方向け
  • 3時間以上5時間未満:午前や午後だけ利用したい方向け
  • 5時間以上7時間未満:食事やレクリエーションを含む標準的な利用
  • 7時間以上9時間未満:1日しっかり利用するタイプ

この時間ごとに介護報酬(料金の基準)が決められており、**「原則3時間以上」**が制度上の基本です。3時間未満の利用は「短時間通所リハ」など別サービス扱いになることもあります。

また、利用回数は要介護度ごとの支給限度額(単位数)の範囲内で調整可能です。たとえば要介護1なら月に約1万6,000単位まで、その範囲で「週2回」「週3回」と組み合わせられます。

ライフスタイルに合わせて柔軟に利用できるのがデイサービスの魅力。まずはケアマネジャーに相談してみましょう。


費用と自己負担の仕組み

✅ 高額介護サービス費制度により、月の自己負担額には上限があります。一般的な所得の方は月37,200円を超えた分が払い戻されるため、安心してサービスを利用できます。

「介護サービスっていくらかかるの?」
「年金生活で負担できるか不安…」
「自己負担が1割って本当?」
「収入によって負担が変わるの?」
お金の心配は誰にとっても大きな不安ですよね。

介護保険では、自己負担は原則1割所得に応じて2割・3割になる仕組みがあります。

自己負担割合の目安

  • 1割負担:多くの65歳以上の方が該当(課税所得145万円未満など)
  • 2割負担:課税所得145万円以上〜おおむね340万円未満
  • 3割負担:課税所得220万円以上で収入340万円超

👉 例:月20万円のサービス利用

  • 1割=2万円
  • 2割=4万円
  • 3割=6万円

さらに高額介護サービス費制度により、1か月の自己負担額には上限があります(一般所得者で月37,200円)。超えた分は払い戻し対象になるので安心です。

注意点として、食費や居住費は別途自己負担。デイサービスなら昼食代500〜700円程度が一般的です。低所得世帯には軽減制度もあります。

ケアマネジャーがケアプラン作成時に費用を試算してくれるので、無理のない利用計画を立てられます。


介護保険制度でできること・できないこと

「介護保険って、どこまでサポートしてもらえるの?」
「家事全般をお願いできる?」
「病院への付き添いは?」
「ペットのお世話は頼める?」
境界線がわからないと、期待と現実のギャップに戸惑いますよね。

介護保険サービスの基本は**「要介護者本人の日常生活を支えること」**です。

できること

  • 身体介護:入浴・排泄・食事・着替え・移動など
  • 生活援助:掃除・洗濯・買い物・調理(本人分のみ)
  • 通院介助:送迎・付き添い(院内介助は原則対象外)
  • リハビリ:機能訓練や生活動作の練習
  • 福祉用具:車椅子や特殊ベッドのレンタル

できないこと

⚠️ 家族全員分の家事(洗濯・食事作り)や医療行為(注射・点滴など)は介護保険の対象外です。必要に応じて自費サービスや他の制度の活用を検討しましょう。

  • 家族分の家事(家族全員の食事作りや洗濯)
  • 日常生活以外(庭の手入れ・ペットの世話・大掃除)
  • 医療行為(注射・点滴・薬の管理は原則対象外)
  • 金銭や契約などの管理

たとえば「お母さんの洗濯」はOKですが、「家族全員分の洗濯」はNGです。

ただし、介護保険でカバーできない部分は自費サービスや他制度との併用で補えます。ケアマネジャーが代替案を一緒に考えてくれるので安心です。


よくある不安とその解消法

介護保険を使うとき、多くの方がこんな不安を抱えます。

「認定されなかったらどうしよう」
「サービスを使ったら自立できなくなるのでは」
「近所の人に知られるのが心配」
「ケアマネジャーと合わなかったら」
「一度始めたらやめられないのでは」

でも安心してください。これらの不安にはすべて解決策があります。

  • 認定されなかった場合:地域包括支援センターで「総合事業」や他サービスを利用可能
  • 自立への影響:介護保険サービスは自立支援が目的。リハビリ型もあり、生活機能維持に役立つ
  • 近所の目:送迎場所や訪問時間を調整できる
  • ケアマネとの相性:変更はいつでも可能
  • サービスの中止:契約は柔軟に見直し・終了できる

不安を一人で抱える必要はありません。地域包括支援センターやケアマネに相談すれば、安心して利用できます。


まとめ|介護保険制度を知れば安心して利用できる

介護保険制度は、40歳以上のみんなで支え合う仕組みで、必要時に1〜3割の自己負担で幅広いサービスを利用できます。訪問介護、デイサービス、ショートステイ、福祉用具まで生活に合わせて組み合わせられます。

利用開始の流れも意外とシンプル。市区町村窓口で申請し、30日以内に結果通知。ケアマネジャーが最適なプランを一緒に考えてくれます。費用面も高額介護サービス費制度で上限があり、安心して利用できます。

「認定されなかったらどうしよう」「近所の目が気になる」といった不安にも解決策があります。サービスは見直しや中止も自由。ケアマネ変更も可能です。

大切なのは、一人で抱え込まないこと。地域包括支援センターに相談すれば、介護保険制度はきっと心強い味方になります。あなたとご家族の暮らしを、安心して支えてくれるでしょう。

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